新しい歩み キリストの基礎知識の学びの勧め
2021年2月1日 改2024年6月11日
「なぜ、このテキストを学ぶことを励ますのか?」
テゼ・コミュニティとブラザー・トマス
「なぜ、このテキストを学ぶことを励ますのか?」
について読者の皆さんと分かち合わせてください。
私は、愚かで罪深い歩みをしていた20代後半、神の深いあわれみのゆえに、不思議な体験とともに悔い改めに導かれ、これまた不思議な体験とともに、主イエスから聖霊のバプテスマを受けました。これは素晴らしい体験でした。聖霊の喜びに満ち溢れる時間が過ぎていきました。その後、聖書は読まずに、あるクリスチャンに勧められたクリスチャンの心理学者が書いた本を読んでいました。
しかし、数ヶ月も経たないうちに罪を犯し、それから心理状態は急降下の一途を辿りました。憂鬱な思いが心を支配し、言葉では言い尽くせないほど重たいものに押し潰されそうになっていました。挙句の果てに自殺未遂へと足を進めるのですが、まさにその崖っぷちで「わたしにチャンスを与えなさい。」という小さな声を聞いたのです。神が語りかけてくださったのです。
そこで神に近づくために、以前バックパック旅行でお世話になったテゼ・コミュニティのブラザー・トマスに連絡すると、すぐに来るようにと言ってくださいました。さらに、テゼ・コミュニティの創立者ブラザー・ロジェが、彼にとって貴重なものを犠牲にしてまでも、どこの馬の骨かわからないこの私に手を差し伸べてくれたのです。それから30日間、テゼコミュニティという静かなところで、朝から晩まで泣きながら祈り、神に立ち返るように導かれました。すると、聖霊による喜びが戻ってきたのです。そして、「本物の教会と牧者とクリスチャンの兄弟姉妹を与えてください!」と、神に願い求めてから帰宅しました。
それから数年後に、東京で、ジーザス・ムーブメント[1]の指導者、チャック・スミス[2]牧者[3]に会う機会が与えられました。彼が、聖書、神のことばを分かち合っているときに、私は聖霊に触れられ、それからの一週間は、そのことを思い出す度にむせび泣く状態が続きました。神のことばについてとても強く印象づけられた私は、彼の教会に集いながら学びたいという強い思いが与えられました。その強い思いに従って3年間、彼が牧会していた教会カルバリーチャペル・コスタメサで聖書を学びました。彼の教会のスクール・オブ・ミニストリーに入学し、案内係の奉仕に参加させていただき、また、オフィスにかかってくる電話で聖書カウンセリングをする機会が与えられ、会衆のために祈る働きまで与えられました。
聖書こそが、クリスチャンの成長に欠かせないもの
この3年間で、「聖書こそが、クリスチャンの成長に欠かせないもの!」という基礎的な理解が与えられました。これこそが、私が聖霊のバプテスマを受けた後に必要なものだったことを遅まきながら理解し、キリストの基礎的な知識の学びは、特にクリスチャンになったばかりの人には欠かすことのできないものだ、と強く思うようになりました。
このアメリカ滞在のうち最初の2年間、小さな日本人キリスト教会を牧会する機会も並行して与えられました。そして、帰国してからの4年間半、単立キリスト教会の副牧者として奉仕をする機会が与えられました。そこを辞めて1999年4月4日に現在地、東京国分寺で開拓してから、チャック牧者に手紙を書いてカルバリー・チャペルに加えて(提携させて)いただきました。その後、チャック牧者には、個人的にも愛を持って良くしていただきました。
長年にわたる働きの中で、洗礼を受けた人たちが、キリストから離れていくという大問題を体験するようになりました。ますます新しく信じた人たち、信じてから時間が経っていても聖書の基礎知識を知らない人たちを覚えて、どうすればいいか考え祈るようになりました。
神がチャック・スミス牧者を通して始まったカルバリーチャペルの牧者カンファレンスに毎年2度ほど出席する機会が与えられたのですが、あるカンファレンスでのこと、ブルックリン・タバナクル教会のジム・シンバラ牧者のビデオを観る機会が与えられました。カルバリーの牧者カンファレンスで他の教会の牧者のビデオを視聴したのは、後にも先にもあの時だけです。そのことに不思議を覚えました。そこから、さらに導きがあるとはそのときはまったく知るよしもありませんでした。
シンバラ牧者のメッセージはシンプルですが、聖霊による力がありました。それから数年後、ニューヨークの貿易センタービルへのテロ行為から3ヶ月半後の2002年1月にブルックリン・タバナクルに行く機会が与えられました。「一週間ほど、そちらで学ぶ許可をいただけますか?」というメールを送ると先方から「わかりました。来なさい。」というゴーザインが与えられたので、妻と2人で色々な集会に出席することができました。オフィスに電話すると、カルロ・ビークスターフ副牧者が私たち夫婦を招いてくださり、ジム・シンバラ牧者の本を3冊プレゼントしてくださいました。そして3人で一緒に祈る機会まで与えられました。
不思議なことに、それから16年後の2018年に、ブルックリン・タバナクル主催の牧者のためのカンファレンス「リフォーカス」に参加する機会が与えられました。そのカンファレンスで、ブルックリン・タバナクルから信仰で踏み出してハーレムで教会を開拓したルイス牧者と知り合い仲良くなりました。
その頃、私は新しくキリストを信じた人たちのための学びについて、いろいろなテキストを探していました。そんなある日、何年も前に読んだことのある「信仰の目をあげて」(ジム・シンバラ牧者著)に目を通しているとアマリアという女性の赤裸々な証しに目が留まりました。彼女は、汚らわしい罪まみれの壮絶な人生を歩んできました。しかし、彼女が神を求めると、神がその彼女を一瞬にして聖めてくださり、彼女は救われたのです。「月曜の夜自宅で開いている弟子訓練会に彼女を招きました。…彼女の生き方が次第に変わって行くのを目の当たりにしました。顔つきが変わり、目が輝いて、服装も変わりました。罪にまみれた生活をしていたころの彼女とは打って変わって、神を知る敬虔な若い女性の雰囲気を漂わせるようになりました。」(「信仰の目を上げて」P48~P49)この箇所は、前出のカルロ・ビークスターフ副牧者とイングリッド夫人が書いたものですが、私は、ここを読んで心惹かれるものを感じました。
アマリアを成長させたもの?
私はアマリアとは対照的に、聖霊を受けた後に聖書を読んでキリストの知識を吸収することがありませんでした。しかし彼女は、私に欠けていたものを聖霊によって聖められた直後に受けることができたのです。そうです、神のことばによって養われたのです。キリストの基礎的な知識を知ることによって、新しい歩みに方向性を見出したのです。神のことばが乏しければ、どのように新しく歩んだらよいかもわかりません。彼女が羨ましく思えました。一方で、ますます、救われたばかりの人たちや、救われてから時間が経っていても、キリストの基礎的な知識がない人のことを覚えて心が動くようになりました。
生き方が変わったアマリアが、どんな学びをビークスターフ牧者から受けたのか知りたくなったので、ブルックリン・タバナックルの牧者カンファレンスで仲良くなったルイス牧者に「ビークスターフ牧者は、自宅での弟子訓練会で、どんなテキストを使用していたのですか?」とメールで尋ねると、なんとイングリッド夫人を紹介してくれました。ご主人のカルロ・ビークスターフ副牧者はすでに天に召されておられ、その当時をよく知るイングリッド夫人が、その当時使用していたテキストをメールで添付して送ってくださいました。
話は長くなりましたが、それが、今回のテキスト「新しい始まり」なのです。彼女には、和訳が完成したときにメールに添付して送りました。
すると彼女から「おはようございます。ありがとう、主イエスが、あなたのクラスに参加する一人ひとりのクリスチャンの内にしっかりとした基礎を築いてくださいますように!」という祈りの返事をいただきました。
イングリッド夫人の祈りこそが、私の祈りでもあります。主イエスが、この「キリストの基礎知識コース」に参加する方々を助けてくださり、キリストの大きな愛と、優れて豊かな恵みを知って理解し、多くの実を結び、キリストの弟子となり、栄光が父なる神に帰りますように。
主イエスの恵みと平安がありますように
ジーザス・コミュニティ牧者
桜井 知主夫
脚注
[1] 今のところアメリカ最後のリバイバル、60~70年代に大勢のヒッピーたちがイエスを信じた。
[2] 保守的なチャックが、対極にあるヒッピーたちを愛して受け入れ、このムーブメントを導いた。
[3] キリストは「師」と呼ばれてはならないと言われたので、「牧者」を採用した。
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